蓄音機雑話

蓄音機・SPレコード雑話

◎SPレコードは減る。

聴くたびに必ずレコード盤が減ってゆく、針をどう工夫しようともこの事実は変わらない。

減らなければ音が出ない。こうして、聴いてくれた人みんなに、ささやかで、贅沢な贈り物を残しながら、レコードは死んでゆく。


◎蓄音(器)か蓄音(機)であるか。

「楽器という連想から蓄音器とするのが正しく字体のバランスも良い。蓄音機では、機械の機が無機的であり音楽を再現する道具にふさわしくない」という一応もっともな意見が支配した。

ところが、「広漢和辞典」を見ると (器)は四つの皿に盛られた犬の肉を意味する物であり、

また多くの口と犬との合字で犬の鳴きわめく意。音を借りて器物の意に用いる。とあります。

(機)は木が意符で幾が音符。細かい意を表し、細かい工夫をして動くようにしたもの、転じて物事の発動する起点とあります。

こうなると犬がキャンキャンの器(しかも略字)より木と幾で組み上がった機に軍配が上がりますね。

戦前の蓄音機通、上司小剣が機を指示した理由も納得できます。漢字って素晴らしい。


「日本ビクター宣伝ポスター」


Date:1930  Size:68×33㎝

Date:Early1930s  Size:75.7×52.6㎝

「アメリカコロムビアのポスター」

ナポレオン製 蓄音機回転軸用サイレントオイル